薬剤師のプログラミング備忘録

変人薬剤師の独り言

師を想え

今回はプログラミングの話ではなく、薬剤師としての話です。

自分のツイートについて、小規模ながらバズったので紹介させていただきます。

Twitter薬剤部(勝手に呼称しています)の皆様に紹介していただいたおかげで、当blogも平均PVが30を越え、10/7の記事(薬剤師としての発信力)に至っては140を超える方々に閲覧していただきました。この場を借りて感謝申し上げます。

 

 

調剤薬局薬剤師というのは、非常に特殊な職業です。

医療職でありながら、調剤薬局では株式会社(または合同会社、廃止になりましたが有限会社など)に所属するサラリーマンです。

それ故に、縛られる制約も多く、社益や株主を第一としなければならなく、個としての存在を認められにくい職業であると感じています。職能団体としての結束も強くはなく、保険者からのお叱りを受けることも多々あります。

ですが、Twitter等々のSNSやwebサイトで活躍する(半)匿名の薬剤師の方々からは非常に強い意志を感じます。

このような薬剤師含め、新進気鋭の世代を次々を生み出していく新たなプロジェクトが少しずつ出てくるのではないでしょうか。勿論、それはきっと私個人としての仕事ではありませんし、全ての薬剤師の使命であると思っています。

SNSやwebという媒体ができたことによって、志の高い(「意識が高い」という表現は嫌いです)薬剤師の結束は強くなっています。(ただ、互いの主張する部分が強すぎるが故の反発を招かないかは心配ですが…)

 

これからは「超高齢化社会」という言葉ばかりが注目されていますが、IoTなどの情報産業の下請けになる可能性も出てきます。超大手の薬局に努める年収うん百万のエリアマネージャーよりも、個人として慕われる倫理観のある一人の人間として認められることが求められています。

薬剤師倫理規定というのをご存知でしょうか。

(以下、日本薬剤師会ホームページより抜粋)

http://www.nichiyaku.or.jp/contents/info_97/n971031.html

社団法人 日本薬剤師会

薬剤師倫理規定

平成9年10月24日 理事会制定承認

 

前 文

 薬剤師は、国民の信託により、憲法及び法令に基づき、医療の担い手の一員として、人権の中で最も基本的な生命・健康の保持増進に寄与する責務を担っている。この責務の根底には生命への畏敬に発する倫理が存在するが、さらに、調剤をはじめ、医薬品の創製から供給、適正な使用に至るまで、確固たる薬の倫理が求められる。

 薬剤師が人々の信頼に応え、医療の向上及び公共の福祉の増進に貢献し、薬剤師職能を全うするため、ここに薬剤師倫理規定を制定する。

 

(任務)

第1条 薬剤師は、個人の尊厳の保持と生命の尊重を旨とし、調剤をはじめ、医薬品の供 給、その他薬事衛生をつかさどることによって公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もって人々の健康な生活の確保に努める。

 

(良心と自律)

第2条 薬剤師は、常に自らを律し、良心と愛情をもって職能の発揮に努める。

 

(法令等の遵守)

第3条 薬剤師は、薬剤師法、薬事法、医療法、健康保険法、その他関連法規に精通し、これら法令等を遵守する。

 

(生涯研鑽)

第4条 薬剤師は、生涯にわたり高い知識と技能の水準を維持するよう積極的に研鑽するとともに、先人の業績を顕彰し、後進の育成に努める。

 

(最善尽力義務)

第5条 薬剤師は、医療の担い手として、常に同僚及び他の医療関係者と協力し、医療及 び保健、福祉の向上に努め、患者の利益のため職能の最善を尽くす。

 

(医薬品の安全性等の確保)

第6条 薬剤師は、常に医薬品の品質、有効性及び安全性の確保に努める。また、医薬品 が適正に使用されるよう、調剤及び医薬品の供給に当たり患者等に十分な説明を行う。

 

(地域医療への貢献)

第7条 薬剤師は、地域医療向上のための施策について、常に率先してその推進に努める。

 

(職能間の協調)

第8条 薬剤師は、広範にわたる薬剤師職能間の相互協調に努めるとともに、他の関係職 能をもつ人々と協力して社会に貢献する。

 

(秘密の保持)

第9条 薬剤師は、職務上知り得た患者等の秘密を、正当な理由なく漏らさない。

 

(品位・信用等の維持)

第10条 薬剤師は、その職務遂行にあたって、品位と信用を損なう行為、信義にもとる行 為及び医薬品の誤用を招き濫用を助長する行為をしない。

 

我々に求められる倫理観とは何か。医療職として、人の命を扱う人間として何が求められているか。

私は先生と呼ばれることが苦手です。先生と呼ばれることに甘んじてはならないと思っています。ただそれでも、患者さんや他職種の皆さんが尊敬の念を込めて、「先生」と呼んでくださるたびに襟を正し、「個として個の為に尽くす」ということを忘れてはならないと思っています。

 

我々は「薬剤師」と呼ばれています。

その本質も「師」たりうるものでなければならないのだと思います。